導入事例:橋梁の維持管理を電源工事不要の定点カメラでリモート化。社会インフラ向け予防保全の新しい形
2022年 06月24日

株式会社新日本コンサルタント様 

LiLz Gaugeの導入にご協力頂いた富山本社の皆様(左から稗田様、米田様、石田様)

インタビューは構造技術本部 構造部 井上様・稗田様にご協力いただきました。

導入テーマ

LiLz Gaugeを利用した橋の劣化診断の高度化

井上様の業務内容・ミッションについて教えてください

井上様:私が所属する構造技術本部は道路橋の新設設計、耐震補強設計、補修設計、点検、長寿命化修繕計画作成など道路橋に関わる業務を行っています。私は橋の点検、補修設計等の橋の維持管理業務の専門家として担当しています。

道路の橋やトンネルなどの構造物は5年に1回の点検が法令上必要となっており、道路管理者である国、自治体が策定した点検要領に従い点検を行う必要があります。その点検で特に重要なのが、道路利用者や第三者に被害を及ぼす恐れのある重大な損傷を必ず見つけ出し、適切に対処することです。

LiLz Gaugeをご利用しているお客さまの多くは1日1回以上の日常点検で利用されていますが、なぜ5年に1回の点検を補完する目的で導入したのでしょうか?

井上様:点検頻度は5年に1回ですが、橋の挙動を正確に把握するには5年に1回では不十分な場合があります。その対策として、LiLz Gaugeの有効性に着目し、当社が道路管理者の了解を得て、橋の支承(シショウ:橋の自重や車の移動による荷重を橋の下部に伝える部材)と床版(ショウバン:橋の上を通る車や人の荷重を橋の主桁に伝える部材)にLiLz Gaugeを設置しました。

先ず橋の支承は、腐食が発生することにより主桁が移動できなくなる問題が発生します。支承の腐食は雨により引き起こされていることが分かっていますが、5年に1回の点検のみだと腐食している事実のみが分かり、どのように腐食していったのか、本当に雨による影響での腐食なのか正確に把握することができませんでした。主桁の端部の路面には伸縮装置と呼ばれる温度によって伸び縮みする部材があり、路面の雨水の主桁端への落下を防ぐ機能があります。LiLz Gaugeを利用し1日3回撮影をすることで、雨天時に本当に主桁端への雨水の落下が起きていないか確認することができるようになりました。

もう1つ導入した床版は大型車の荷重が頻繁にかかる部材のため、橋の部材の中でも最も苛酷な環境に晒されています。そのためひび割れが起こりやすく、5年に1回の点検だけでは、既にひび割れが進行してしまっている状態になる可能性もあります。そこで、LiLz Gaugeを導入することにより、ひび割れの進行状況をより高頻度で監視することにしました。

また副次的な効果として、橋の利用者や周辺住民から騒音や通過時の衝撃などの苦情が発生する場合があるのですが、その際には、道路管理者の方が車で40分ほど移動し現地を確認する必要があります。LiLz Gaugeを導入することにより、このような苦情が発生した際には、支承や床版の様子をまず、遠隔で確認できるようになりました。

白い太い線はひび割れに沿ったチョーク跡

今回の導入目的は計器の読み取りではなくカメラの撮影した静止画の監視ですが、実際にLiLz Gaugeを導入した感想をお聞かせください

井上様:導入を決めた理由は屋外設置可能かつバッテリーが長持ちする点にあります。撮影された写真も標準画質で鮮明に取得できることが確認できています。仮に支承に2-3mm程度の厚みの腐食が発生したとしても、過去の写真と見比べることで腐食の進行を十分に捉えることができるようになりました。

現在は支承に発生している軽微な腐食を撮影していますが、この腐食も放置をしてしまうと全面に広がり、支承の機能低下により主桁の損傷につながることもあります。橋の維持管理は予防保全が鉄則ですので、腐食の進行度合が高くなると塗装を行い対処します。橋の補修は損傷が進行するほどコストが高くなります。LiLz Gaugeを導入することで橋の劣化に関わる問題が大きくなる前に対処ができることになり、補修コストの低減も期待ができそうです。

LiLz Gaugeで撮影された写真を確認することで、証拠に基づく損傷原因の把握が行えることを期待しています。

稗田様:LiLz Gaugeの設置を担当しましたが、使い勝手に大きな問題なく設定することができました。床版がキレイに写る角度の調整は工夫が必要でしたが、設置後は特に問題なく使用できています。

LiLz Gaugeの活用を含めた今後の橋梁点検の展望を教えてください

井上様:国は、橋の点検への新技術活用を打ち出しています。大きな橋では大型橋梁点検車で点検するケースが多いのですが、その費用が1千万ほどになる場合もあります。

LiLz Gaugeを橋の劣化しそうな部材の監視に導入することで5年に1回の橋梁点検車を用いた点検を10年に1回に減らせないかということも検討したいです。

また、LiLz Gaugeで撮影された画像を元に橋のひび割れの自動検知の仕組みや、他のセンサーと組み合わせた橋の点検も検討しています。

大きな橋ではLiLz Gaugeを100基ほど導入が必要になる可能性もありますので、ボリュームディスカウントがあれば嬉しいですね(笑)

インタビュー参加者:

 株式会社新日本コンサルタント 東京本社 構造技術本部 構造部 井上雅夫 様(写真中央)

 株式会社新日本コンサルタント 富山本社 構造技術本部 構造部 稗田拓海 様(オンラインでのご参加)

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導入企業様:

会社名:株式会社新日本コンサルタント

代表者 市森 友明

所在地 富山県富山市奥田新町1番23号

事業概要 NiXは、新たな社会ニーズを「ストックマネジメント」「防災・減災」「低炭素社会づくり」と捉え、既存の事業分野を基盤として、この『3つの重点事業』を積極的に取り組んでいます。またそれらと並行して、マネジメント事業として、「エネルギーマネジメント事業」「プロジェクトマネジメント事業」「大学共同研究事業」などに取り組んでいます。

URL:https://www.shinnihon-cst.co.jp/

インタビューにご協力いただき、誠にありがとうございました!