運搬用ベルトコンベヤにおける火災防止対策
このシーンの現場

運搬用ベルトコンベヤでは、粉体・石炭・繊維屑などの堆積物がローラやベルトと接触し、摩擦熱を起点に発煙・延焼へ至る典型事例が知られています。現場対策としては「堆積状況の点検強化」「定期清掃の徹底」「巡視教育」が有効ですが、人的巡視頻度には限界があり、夜間・高所・長距離区間が盲点になりがちです。そこで、後付け設置に適した電源・ネットワーク工事不要型IoTカメラのLC-20と、画像変化を活用したクラウドソフトAIである、LiLz Guard(以下、リルズガード)の併用が有効です。
どこに設置し、何を実現するか
LC-20は危険箇所近傍にピンポイントで配置し、定時撮影+イベント撮影で「堆積厚みの増加」「ベルトの蛇行」「ローラ停止の兆候」「色調の変化(煤・焦げ)」などの“目視できる前兆”を可視化します。リルズガード側では、監視領域を設定し、所定のしきい値を超えた変化のみ通知。これにより、清掃や補修の優先順位付け、夜間の一次対応の迅速化、巡視の質向上(事前に“見るべき箇所”を明確化)が可能になります。 ※LC-T10は定点型のサーモグラフィカメラとして表面温度の点検が可能

導入のポイント
導入のポイントは1.堆積しやすいローラ下・ベルト下面・払い落とし部を多視点でカバー、2.どういった条件を満たせば警報かを保全基準としてリルズガードに実装、3.通知後の初動と清掃記録をワークフロー化、の3点。人の点検を置き換えるのではなく“常時の見張り台”を増設する考え方で、発火リスクの低減と停止時間の最小化に寄与します。なお、堆積と摩擦発熱が火源となる事故形態自体は各所で確認されており、設備特性に応じた監視設計が重要です。








